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2016年4月24日掲載 「デザインとアートの違い(3)」


私の本業は、デザイナーだ。グラフィックデザインを生業とする傍ら「消しゴム彫刻家」として活動している。有名な言葉に“アーティストは自己表現、デザインは問題解決”と言われている。デザインされたものには、明確な理由があるということだ。例えば、ここが赤くなっているのには、理由がある。分かりやすくするためか、アクセントをつけるためか、理由はそれぞれ異なるが、クライアントから「なぜここは、こうしたのですか?」と質問されたら、相手が納得できる理由がある。アーティストは、感覚の世界でもあるので、”なんとなく赤くした”が許される。もちろん、アートの場合もその色を使った理由があるだろうが、受け取る人によって理由が異なる。インパクトを受け、心揺さぶる赤だとしても作家が意図した事ではないかもしれないが、その違いを感じる事がアート鑑賞なのだ。しかし、デザインは、理由が存在する。それは自分の意思とは関係なく発生する問題解決の答えであり、説明ができる。これらの違いを考えながら、どちらの制作も自分にしかできないものを探求していきたい。(2ヶ月間、お付き合いいただき、本当に有り難うございました。ご縁に感謝いたします。)

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